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自分の実力、知りたくありませんか? ロードバイクの戦闘力を測る「FTPテスト」のススメ
ロードバイクに乗り始めると、誰もが「もっと速くなりたい」「坂をスイスイ登れるようになりたい」と感じるのではないでしょうか。しかし、自分の実力が今どのレベルにあるのか、客観的に把握するのは難しいものです。そこで今回は、サイクリストの戦闘力ともいえる「FTP」を測定するテストについて、その魅力と方法を徹底解説します。
FTPテストとは? あなたの実力を可視化する指標
FTP(Functional Threshold Power)とは、日本語で「機能的作業閾値パワー」と訳され、簡単に言うと「1時間、全力で走り続けた時に維持できるパワーの平均値」のことです。この数値が高ければ高いほど、高い出力を長時間維持できる、つまり「速くて強い」ライダーであると言えます。
FTPを測定することで、漠然としていた自分の実力が明確な数値として可視化されます。これにより、トレーニングの強度設定が的確になったり、過去の自分と比較して成長を実感できたりと、多くのメリットがあるのです。
Zwiftで挑戦! 自宅でできるFTPテストの流れ
FTPテストは専門的な施設でなくても、スマートトレーナーとバーチャルサイクリングアプリ「Zwift(ズイフト)」があれば自宅で手軽に挑戦できます。今回は、Zwiftに用意されているショートバージョンのテストの流れをご紹介します。
1. ウォームアップ:
まずは軽い負荷で身体を温めます。いきなり高強度に入るのは怪我のもと。じっくりと準備をしましょう。
2. 5分間の全力走:
ウォームアップ後、一度心拍数を上げるために5分間の全力走を行います。ここで脚を使い切らないように注意が必要です。
3. 10分間のレスト:
メインの計測に向けて、軽い負荷で脚を回復させます。
4. 20分間の全力走:
ここがテストの最も重要なパート。「地獄の20分間」の始まりです。20分間、自身が出し続けられるギリギリのパワーを維持し続けます。ペース配分が鍵となり、まさに自分との戦いです。
5. クールダウン:
激しい運動で酷使した身体を、ゆっくりと落ち着かせます。
このテストで計測された「20分間の平均パワー」に0.95を掛けた数値が、あなたのFTPとなります。
FTPからわかる「パワーウェイトレシオ(PWR)」とは?
FTPが測定できると、もう一つ重要な指標がわかります。それが「パワーウェイトレシオ(PWR)」です。これは、FTPの値を自身の体重(kg)で割ることで算出されます(計算式:FTP ÷ 体重 = PWR)。
この数値は、特に重力が大きく影響するヒルクライムでのパフォーマンスを示す指標となり、一般的にPWRが高いライダーほど登坂能力に優れているとされています。
例えば、FRAME編集部員が挑戦した際には、FTPが259W、体重が65kgだったので、PWRは約3.98倍という結果になりました。自分のPWRを知ることで、ヒルクライムレースなどでの目標設定にも役立ちます。
まとめ:自分の限界を知り、新たな目標を設定しよう
FTPテストは、肉体的にも精神的にも非常に過酷です。しかし、それを乗り越えた先には、客観的な数値に基づいた自分の現在地と、次なる目標が見えてくるはずです。
自分の実力を知り、より効率的なトレーニングでネクストレベルを目指したい方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。地獄の先に待っている達成感は、きっとあなたのサイクリングライフをより豊かなものにしてくれるでしょう。
実際のテストの過酷な様子や、編集部員のリアルなリアクションは、ぜひこちらからご覧ください。
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