8月7日に飛び交った「ラファがスーパーに買収された」という報道

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創業者のサイモン・モットラム氏はCEO継続

8月7日、ラファはRZCインベストメントをマジョリティ・シェアホルダー(最大株主)として迎えた。創業者サイモン・モットラムはCEOを継続、RZCインベストメントの協力のもと、ラファのこれまで以上の発展を推し進める。以上。つまり端的に言うと、これまでと何も変わらない。企業買収とかM&Aに伴うすごいドラマを期待していた人には申し訳ないくらい、何も変わらないようだ。 自身もシリアスなサイクリストである創業者のモットラム氏は、そもそも単独の大株主ではなく、もともと持ち株会社がシェアホルダーだった。今年の12月末までの期限で、インベスターのアクティブ・パートナー社の主導でラファの新たな株主の募集が開始され、一時期007ジェームズ・ボンドの愛車である英国車「アストン・マーティン」を保有するイタリアのシェアホルダーが最有力買収候補として名乗りを上げていた。そのような動きが、いろいろな憶測を生んでいたようだ。 モットラム氏の2013年の来日時、幸運にも彼を直接インタビューする機会を得たが、その時モットラム氏が「欧州ではサイクリングが盛んだと言われるが私はまだ足りてないと感じている。サイクリングがバスケットやフットボールなどのスポーツと比するほど広がっていく。それが私の目指すところ」と語っていたのを思い出す。彼は「サイクリングをもっと世の中に広げるためのブランド」としてラファを定義付けていた。Raphaはそのビジョンを実現するため、サイクリングに理解のある、より大きな資金力を必要としたのだろう。
Raphaの大株主となったのはどんな会社か
新たなラファのシェアホルダーとなるのはウォルマート創業者の孫であるトム・ウォルトンとスチュアート・ウォルトンの持株会社RZC Investments(アールズィーシー・インベストメント)。RZCインベストメントはスーパーのウォルマートとは関係なく、ラファがスーパーの傘下に下ったというのは事実ではない。それより大事な点は、この会社の持ち主であるトムとスチュアートは、2人ともかなりシリアスな自転車乗りだということ。彼らはMTB業界では貢献者として知られており、IMBA(International Maountain Bicycling Association)という、世界でトレイルを整備する活動で知られる組織で、精力的にトレイルを整備する活動を行ってきた。 スチュアート・ウォルトン氏は「ラファはサイクリングの世界の“粋”を代表している。我々がサポートすることで世界で一番素晴らしいスポーツをもっと広く皆さんにお届けすることができるようになるのが嬉しい」とコメント。 ラファの創業者のモットラム氏も「ラファにとってもっとも素晴らしい日だ。我々の次のステージへのスタートであるし、人々がラファとサイクリングのポテンシャルと成長が本物であることを認めた証。RZCインベストメントの協力でサイクリングをもっと世界的なスポーツにし、もっと多くの人があらゆるレベルの人でサイクリングするようになり、我々とともにライドするという、我々のミッションの実現に近づける。サイクリストのコミュニティーをもっと拡大し、今まで以上にイノベーティブな商品を生み出し、サイクリストのライフスタイルを拡大し、より多くの人がこの世界で最も偉大なスポーツを始められるようにしたい」と述べている。
まとめると、「ラファは変わらない」
日本にもファンが多く、サイクリストの憧れブランドでもあるラファ。ラファは単なる「サイクル・ファッションブランド」ではない。 それまでマイナーだったシクロクロス人気を盛り上げたり、「苦しみの先にある達成の喜び」を日本のサイクリストに伝えたり、カフェを中心としたさまざまなイベントやクラブ活動を通して日本にはいまだ定着していない「サイクリングカルチャー」を広げたりなど、いちブランドの枠を越えた精力的な活動を行っており、多くのサイクリストが賛同している。今回の件は創業者モットラム氏が描いたサイクリングの未来図のためのステップだということで、見守っていきたい。
