最高のロケーション・最高のお客さん。走る選手のテンションもMAX
近年日本でも人気上昇中のシクロクロス。その中にあってシーズン終盤の一大イベントが、このシクロクロス東京です。 全日本選手権や野辺山シクロクロス等のUCI国際レースなど、年間にいくつか選手にとってとても重要なレースがあります。そういったレースでの出走前の緊張感・ピリピリ感は凄いものなのです。それに対して、シクロクロス東京は重要レースでありながら、どの選手もどこかにこやかな表情。秋から始まったシクロクロスシーズンをここまで戦ってきて、シーズンの最終盤にたくさんのお客さんに応援されながら走る喜びが選手の表情に表れているのです。
もちろん、レースのレベルも国内最高。国内ランキング35位以内の選手だけが出場を許される男子エリートには、海外の強豪も招待選手として出場します。
今回の出場選手の中でも優勝候補筆頭は、フランスのスティーブ・シェネル(クロスチームバイG4)。過去には世界選手権で4位に入った実績を持っており、普通にやれば優勝間違え無しの選手。レースは彼を中心に展開していくことは、やる前から明白でした。
対するは昨年優勝のジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアレーシング)。そして国内のトップ選手もシェネルに一矢報いようと全力で挑みます。
私自身は、ランキング的にもギリギリで出場権を取った感じで、とてもシェネルを倒そうと言う感じではないものの、たくさんのお客さんの前で全力を出して、1つでも上の順位を取ることを目指します。
ここからは、私が実際のレースの中で感じたことをお伝えします。
レースは試走から始まっている
シクロクロスはオフロードレースなので、試走がとても重要だ。 難しいラインを事前に頭に入れるため。また、複数のラインがある場合はどのラインが良いか見極めるために、しっかり試走する。特にシクロクロス東京のコースは砂浜の難易度が高いうえに、林の中のシングルトラックもトリッキーなので、試走は十分にしておく必要がある。 ちなみに、エリートレース当日の試走は時間が短いうえに渋滞して思うように走れないこともあるので、トップ選手は前日から会場入りして試走を行うこともある。 私は、試走を兼ねて、前日に開催されたサンドスイッチエンデューロと言うレースに出走。レースと同じペースでコースを走ることが出来て、翌日のエリートレースに役立てられた。
砂用のセッティングでレースに臨む
シクロクロス東京はとにかく砂場セクションの攻略が重要。そのために砂場が走りやすいセッティングでレースに臨む。ただ、厳密に言うと、あまりに砂だけに合せてしまうと、林の中のシングルトラックが走り難くなるので、バランスを取りながら調整していくのだが、普段よりタイヤの空気圧を落とし、あまりタイヤにノブ(ブロック)が付いていないタイヤを選んだ。 今回の私の場合、ビットリアのXNと言う砂に最適なタイヤを用意していたのだが、空気圧を落とし過ぎて、試走中に林の中で気の根っこを踏んでパンクしてしまった。それくらい、砂と林の中のバランスを取ったセッティングと言うのはシビアなのである。
(出典:Vittoria)
ビットリアのXNタイヤ。こう言うブロックの少ないタイヤが砂にはよく合う。レース出場者の視点で見たエリート男子のレース
13:40。晴天の中、メインのエリート男子のレースのスタート時間にはたくさんのお客さんが詰めかけ、たくさんの声援の中、レースがスタートしていく。この盛り上がりは走る方も気持ちがいいもの。 ただ、レースは激しい。 最初のコーナーでオーストラリアの選手が先頭付近で落車したことによって大混乱が生じた。 この混乱を上手く抜けた竹之内悠(東洋フレーム)やシェネルがトップに立つ中、後方では渋滞が発生し、足止めを食った選手はこの時点でトップと数十秒の差がついてしまう。私もその1人だった。
(写真:Kensaku SAKAI)

(写真:Kensaku SAKAI)

(写真:Kensaku SAKAI)

(写真:Kensaku SAKAI)
ビックイベントの余韻漂うゴール地点
ゴール付近は走り終わった選手とそのサポートスタッフでごった返すが、皆自然と笑顔がこぼれ、握手やハイタッチをしている。このレースでオフシーズンを迎える選手も多く、そんな解放感もあり、他のレースのゴール地点には無いような和やかな雰囲気があった。
(写真:Kensaku SAKAI)
