気づいたときは手遅れ 恐るべし孔明の罠
時はさかのぼること3か月前。残暑の厳しい8月下旬。 とあるスポーツジムR店のファンクショナルエリアにて。 MBトレーナー「ええっ!?大阪行くんですか?いいですねー。」 さわやかな笑顔をした彼がストレッチ中の私、X105に話しかける。 X105「そうなんです。仕事ですけど(笑)帰りにちょっと大阪の店舗にも行ってみようかなと思って。」 このスポーツジムの全国会員であるX105は出張のついでに大阪にある店舗にも行こうと画策していた。 MBトレーナー「X105さん、実は関西地区には限定のTシャツが売ってるらしいですよ!このジムにしては珍しくかわいいデザインという噂です!」 X105「なんですって!!それはぜひ買わなくては…あ、MBさんもいります?」 MBトレーナー「え?いいんですか!?ぜひお願いします~。」 今思い返せばこの約束がすべての始まり、巧妙な罠。 この時、いったい誰がこんな些細な約束がランニング嫌いのX105を駅伝に出場させる伏線だと気づくことが出来たでしょうか…。 そう、これこそが孔明の罠。私、X105はそんなこととも知らずにまんまと敵の術中に飛び込んでいったのです。 ~数週間後~ MBトレーナー「あれ~?X105さん、いいシャツ着てますね。」 X105「何言ってるんですか(笑)MBさんにも買ってきた関西地区のシャツじゃないですか(笑)」 MBトレーナー「ああwやっぱそのシャツ、いいですよね。」 X105「めっちゃ好きです。」 MBトレーナー「ところでその胸のところ、なんて書いてあるんですか?」 X105「えっ?えーと、『Let's Run』ですかね。」 MBトレーナー「実は11月にスポーツクラブ対抗の駅伝があるんです。これ。」 X105「へ~。あ、僕、こんなシャツ着てますけど走るの大嫌いなんです!」 MBトレーナー「またまた~」 X105「ほんとに嫌いなんです。はははははw」 ~数日後~ ところ変わってスポーツジムH店、ファンクショナルエリアにて。 Sトレーナー「あっ!なんかいいシャツ着てますね!」 X105「あざーっす。」 Sトレーナー「今度11月駅伝あるんすよ。」 X105「それR店でも言われた(笑)でも僕、走るの大嫌いなんで!」 Sトレーナー「えっ!だってシャツに書いてあるじゃないですか!『Let's Run』って(笑)」 X105「いやいやいや、走Runないので(笑)」 Sトレーナー「なにいってんすかー。ねえ、SKトレーナー?」 SKトレーナー「それはもう、走るしかないです(重厚感)」 X05「・・・」 SKトレーナー「走りましょう!(重厚感)」 Sトレーナー「あ、Hトレーナー、X105さん、出場するらしいですよ!」 Hトレーナー「えっ!ほんとうですか!?(キラキラ)」 X105(うっ、かわいい…) Sトレーナー「じゃあ申込受付でしておいてくださいね!」 X105「か、考えておきます…」 皆さんはもうお気づきのことと思いますが、ふとした会話から軽い弾みで買った関西地区限定のシャツがなんとランニングシャツ。 しかも胸のところに大きく「Let's Run」の文字が書いてあるシャツだったのです。 これはランニングイベントの格好の餌食!! どこに行っても、誰に会っても外堀を埋められ、私X105はどんどんこの駅伝に参加せざるを得ない状況に追い込まれていったのです!走るの嫌いです。でも、負けるのはもっと嫌いです。
SKトレーナーの重厚感に圧倒され、Sトレーナーの「Hトレーナーも参加しますよ。」という誘惑についに屈した私、X105。 屈してから申込書を提出するまで冒頭にあったように、Sトレーナーにひたすら急かされる毎日を過ごし、ついに正式に参加することとなってしまいました。 出るからには負けられない。 負けることが何よりも嫌いな私、X105 は例え嫌いなランニングだって負けないためなら頑張る…否! 正直に言おう。 Hトレーナーのチームに配属されたからかっこいいところを見せたい!!!(どーん) まあどんな理由であれ、とにかく走らなければならないので、本番までに何かやらなくてはいけません。 そこで取り組んだメニューをいくつかご紹介します!adidas GYM&RUN
(出典:スポーツクラブ ルネサンス)
本番の為の準備のほとんどをこのプログラムに頼っていました。 adidas社が開発した「走らなくても走れる脚を作るショートプログラム。」意味が分かりませんね! 「メインパート1分=1キロ相当の筋力負荷!」いや、もう変態ですね、何なのこのトレーニングプログラム…。 まあとにかく、実際に走らなくても、ジムやおうちで何キロも走ったのと同じくらいの負荷を脚にかけるトレーニングとのこと。 そんなトレーニングプログラムを考えついてしまった方の変態度といったら恐ろしいものがありますが、走るのが嫌いな人でも走れる身体を作っていけるプログラムなので、とにかく優先的に参加しました。 こんなの。 私が参加したのは基本的に15分のクラスと30分のクラス。 メインパート1分=1キロが本当なら週2で10キロと20キロを走っていたことになります。 スポーツクラブ対抗の駅伝が1周2.4キロなことを考えると、もう余裕ですね(笑)きついトレーニングの後のランニングマシン
特に何かを狙って行ったわけではないのですが、いつも行っているトレーニングをやめたくなかったので結果的にこうなった、というところです。 通常行っているトレーニングが割と長時間になるので、仕事をして、通常のトレーニングをすると、なかなか駅伝の為のトレーニングの時間を取れません。 トレーニングとトレーニングの合間などの短い時間だけでも走っておこう、ということでランニングマシンを活用。 ところがどっこい、これがきつい有酸素運動のトレーニングや脚に負荷をかけるトレーニングを行った後に行うと、なんと短時間でも長距離走ったような体力の感覚。 あまりのきつさに2キロ走れるかどうかというレベル。 スポーツクラブ対抗の駅伝は3時間の耐久レース。 2.4キロ走ってたすきをつないだ後も、順番が回ってきてまた2.4キロ走るインターバル走に近い形になります。 当初は全然狙っていなかったのですが、結果的にトレーニングとトレーニングの合間に走るというのがインターバル走となり、何周も走った後の走りを疑似体感する練習になったようでした。 天才かw一番大事なものは多分これ
さて、全くやる気がない、というかやーだーと散々駄々をこねながらちょくちょくとトレーニングを行い、はや決戦1週間前。 Sトレーナー「では集合時間と集合場所はここなので。よろしくお願いしますね!」 X105 「やーだー。てかほんと走れないんで!1周だけ走ってあとはこの間ハーフマラソンを2時間切って完走したHトレーナーに託します!!」 Hトレーナー「何言ってるんですか!期待してますからね★(キラキラ」 おいおい、そんなかわいい顔で期待されちゃあやるしかねえじゃねえか。 いっちょおっさんがかっこいいとこ見せてやりましょうか。 ・・・。 この時ほど自身の練習不足を後悔した瞬間はありません。 とはいっても時間は巻き戻せない。 残り一週間、追い込むしかない!と一発奮起。 ようやくほかの参加者達のように身を入れて走り出しました。 いや、全然体力無くて走れてないんですけど(苦笑)迫りくるものとは・・・
そしていよいよ迫ってきました。 ええ、もちろん本番の日も迫ってきているんですが、ここでめちゃくちゃ迫ってきたのはそれではありません。 MBトレーナー「X105 さーん!申込締め切り今日ですよー!」 はい、忘れてましたw うっかりH支店で申込んでしまいましたけど、そういえば最初にお誘いをかけてくれたのはR支店でしたね!(笑) Tさん「え?X105 さんでないんですか?そんなシャツ着てるのに」 はい、そうです。なんとも間の悪いことにこの日も件のシャツを着ていたのでございます。 Sさん「えー!走りましょうよー!」 Uトレーナー「上の受付ですぐ申込できますよ」 Iトレーナー「受付、22時まで大丈夫です!」 X105 「えっと、いや、その。。。」 MBトレーナー「いや、走らないんですか?え!?」 X105 「(だめだ、、、とてもじゃないけど言い出せる雰囲気じゃねえ…)心は皆さんと一緒に走っています!(笑)」 一同「なにいってんすかー(笑)」 MBトレーナー「よし、実は2月にもリレーマラソンありますから。それまでにトレーニングして走れるようにしましょう!」 MBトレーナー、メンタルまじつええ…。 X105 「あはは、じゃあ2月に・・・」 ようやく解放してもらえましたが、いやはや、本番が不安です。そして決戦の地へ
いよいよ本番。
前日はアキュローラーやストレッチポール、ストレッチウェーブリングをフル活用して身体を整え、ちゃっかりHトレーナーの激励も受けて準備万端!
この日にすべてのコンディションを合わせてきました。
やることはもうやった!結果全然走れなかったけど、なんか今日は走れそうな気がするし、もう開き直ろう(どーん)
そんな戦士たる心持で会場へ向かうX105 。
決戦の場は東京都江東区の夢の島競技場!
さあて、チームメイトはどこかなあ・・・あ、Hトレーナーだ!!
X105 「おはようございます!!」
Hトレーナー「あ、おはようございます!もう着替えましたか?」
いやいや、どう見てもランニングウェアとジャージの恰好、私服なわけねーだろ(笑)
てかHトレーナー、なんかちょっと寝ぼけ眼じゃねえか!大丈夫かよwww
そんなこんなで集合場所に到着!ここで最大の誤算!
集合場所の隣には、R支店の集合場所が!
MBトレーナー「わあ!おはようございます!」
Uトレーナー「応援に来てくれたんですか!」
いやいや、おまえら、そんな犬みたいに嬉しそうに駆け寄ってくるなよ…
X105 「すいません、今日は裏切りです!(悪者の顔)」
ジャージをふぁさーっと脱いでみせる選手である証のゼッケン。
MBトレーナー&Uトレーナー「どぅへ~」
R支店のみんなのじとっとした視線を受けながら、いよいよ開会式。
我がスポーツクラブは昨年度のチャンピオンだったんですね~。優勝旗返還して、選手宣誓してました。
その間Hトレーナー率いる我がチームのオーダーが決定。私X105は1番手!5人チームである我がチームは一巡以降は5番手のHトレーナーからたすきをもらってまた1番手のX105へ!
さー、どきどきです!
レーススタートです!
(出典:2015FIA全国スポーツクラブ駅伝)
いよいよレーススタート。 FIA全国スポーツクラブ駅伝では、1周2.4キロのコースを最少4名、最大十数名までのチームでタスキをつなぎながら3時間ひたすら走り、走行距離を競う駅伝です。 1人最低1周という制限以外は特になく、オーダー順は自由。 各スポーツクラブでチームを組んで参加できるようになってます。 いろんなスポーツクラブがクラブの命運(?)をかけてここに集ってます。 オレンジのシャツで統一のティップネス、300人くらいいそうですね。赤シャツで統一しているJEXERもそのくらいですか? 次いでピンクのシャツのメガロスが250名くらいか?ルネサンスはウェアに統一感ないなー(笑) あ、いよいよスタートです。 コースマップは上の図の通りですが、どんなコースかは走りながらお伝えしますね! 実況「それでは~、よーい、スタート!」 みんな一斉に走り出し、、、ません。 マラソン大会などに出たことがある方はよくご存じでしょうが、スタート地点には人、人、人。 前が進まないと全然スタートできません。 そんなこととは知らず、後ろの方にのんびり位置していた私X105、全く進めません! そのころトップは…あ!もう競技場半周している!めっちゃ速い!!てかあれ、Uトレーナーだ!すげえ!! Uトレーナーはまるで400メートル走のようなスピードで競技場を疾走!独走です。 Uトレーナーが競技場の2/3を走り終えたころ、ようやくスタートラインをまたいだX105 はマイペースにUトレーナーを見ながら走ります。 あ、Uトレーナー、競技場1周したところでペースダウン!後続に追い抜かれた!(笑) さて、第1走者だけは若干コースが違い、まずは競技場を1周してから競技場の外へ、、そのあと競技場の外をはしり、悪名高き走りづらい路面の下り坂へ向かいます。 この悪名高き下り坂、走りづらいうえに狭くて抜けない…。 1周目で人がごった返しているコースの狭い隙間を潜り抜けて、ちょっとずつ前へ向かいます。 さあ、坂を下りきったところでコースの狭さは変わらず平坦な川沿いの直進。 図で言うと下の方のまっすぐ走ってるところですね。 このあたりでようやく1キロ。 うん、練習では1キロで絶望していたけど、今日はなんだか走れそうだ。 直進を抜けると折り返し地点、また狭い直線のコースを戻ります。 この辺からだんだん人混みが解消されてきた感じ。X105 も前が空いてきてペースを上げます。 直進を抜け切ると先ほど下った坂道を今度は上ります。この坂を上りきったところが2キロ地点。 こんな中盤最後のきつい場面で上り坂を持ってくるなんて、悪意を感じる…。 2キロ地点を突破したらいったん競技場へ。そのまま競技場を反対側へぬけ、競技場の外をまた走ります。 図で言うと競技場左上のストレートコース。 このあたりは沿道から声援を受けることが出来るのでテンション上がります!! あ、Uトレーナーだ!おっさき~笑 声援を受けるエリアを抜けると競技場へもどり、いよいよスタート地点。 ここでタスキをつなぎ次の走者へとバトンタッチしていきます。 X105 「あれ?いない?次の走者どこだー」 ごった返しのスタート地点、チームメイトを見つけられません。 チームメイト「あ~、いたあ(泣)」 人に埋もれた状態のチームメイトが半泣きで出てきますがこちらは疲弊しきって余裕なし! X105 「たのんます・・・」 タスキを渡して控えエリアへ。 こんな感じが3時間永遠と続くんですねー。あー、こわい。 タイムがまあ11分くらいだったので、渋滞にはまっていたことを考えるとまあまあなペースだったでしょうか。 控えエリアでみんなにお褒めの言葉をいただきます。 自分の番が次に回ってくるまでの間は無責任に応援です。 X105 「ラストー!ダッシュダッシュ~!!」 まあ自分がはしってるときはみんなに無責任に言われるんですけどね(笑) この間大学の後輩のU君に偶然会ったのですが、その話は今回は割愛。(U君はセントラルスポーツのインストラクターです。) 事前情報によると大体一人3周すればいいということ。 ランニング女子でありながら参加していないIKトレーナー(おなかに赤ちゃんがいるのだ!応援にわざわざ駆けつけてくれてます!!)いわく、 IKトレーナー「2周目は身体もあったまってるのでたぶんタイム出るよ。」 とのこと。 そうか、まああと2回走れば終わりだし、全力疾走してみてHトレーナーにかっこいいとこ見せるのも悪くないな。 =====================2周目終了===================== X105 「ぜーっ、はーっ」 チームメイト「早えよw(戻ってくるのが)9分台で走ってるじゃんwww」 誰かが早く走ると自分が休む時間が短くなるけど、自分がはしるときはさっさと終わらせたいから早く走ってしまい、結果チームのタイムが伸び、周回数が増える…。 ああ、これ、悪魔の競技だったんですね!? Hトレーナー「さすがです★(キラキラ」 ふっ、これくらい大したことねえよ、次はもっと早く走ってやろうじゃねえかw =====================3周目終了===================== X105 「ぜっ、はっ、ぜっ、はっ」 チームメイト「はええよーー苦笑」 ふっふっふ。非公式ながら8分台に近いタイムをたたき出してやったらしいです。 もう膝もふくらはぎも限界・・・。 でもこれで終わりです。3周走ったから。 あとはチームメイトを無責任に応援するだけ! あー、なんだか楽しかったなー。こんなに走ったのは初めてだったけどやんややんや盛り上がれて楽しかったわー。と感想を抱きだしていたころ、Hトレーナーにとんでもないことを言われます。 Hトレーナー「X105 さんは4周目がありそうですね!」 ・・・え。 いやいや、5人チームだと大体一人3周って言ってたじゃないですか!!(焦) チームメイト「いやあ、X105 が早く走るから予想以上にタイムが出てるんだな、がんばれ!」 おいおいおいおいー。 X105 「…やっぱり最後のゴールテープはチームキャプテンであるHトレーナーが切るべきだと思うんですよね。」 Hトレーナー「どんなに頑張ってもラスト3分くらいで戻ってきちゃうので、X105さん、よろしくお願いします!」 うおおおおい。 X105 「俺だけ4周なんて納得いきません!死んでも次につなぎますんでもっと早く帰ってきてください!」 チームメイト「え?(もう着替えている)」 そんなこんなでチームメイト達は私だけが4周できるタイムで走り、最後の1周へ。 全力疾走しましたが、さすがに2.4キロを3分では走れず、坂のあたりでタイムアップ! タイムアップ以降はスタートラインに戻って終了です。 Iトレーナー「おーい、ダッシュダッシュ―!がんばれー」 着替え終わったIトレーナー、コース脇で両手を振ってやがる・・・。 2キロ以上走ったことのない足が9.6キロも走らされて絶叫を上げている中、Iトレーナーのあおりにもめげず、ゴールへ! 応援エリアの沿道でH支店のみんなの声援を受け、、、あれ?うちのチームメイトいない!! とりあえずゴールが見えてきた…(意識もうろう) ん・・・?あ!なんと!ゴール手前に!チームメイトたちが!! みんな「X105 さーん!」 並走しだしたチームメイトたち! ああ、最後は全員でゴールテープを切って感動体験を味わうんですね・・・! どんどん遠ざかっていくチームメイトたち。あれ? もはや疲労のピークで足の回転が止まらないX105 は並走するチームメイトをぶっちぎり独走! ゴーーーーーール! X105 「・・・・。」 チームメイト「・・・・。」