2018年のツール・ド・フランス
今年もツール・ド・フランスの夏が終わった。刻々と変わる戦況に手に汗をかいた人も多かろう。開催前からニュースにいとまがないツールだった。2018年から選定された1チームの人数8人の変更。連覇のかかったクリス・フルームのドーピング問題。UCIによるディスクブレーキ全面解禁の報……。現場の混乱は少なからずあっただろう。しかし、幕が開いてみれば「いつも」の熱いツールだった。 第16ステージでは現地の農家が大会進行を妨害し、憲兵隊が放った催涙スプレーが選手の目や口に入るというアクシデントもあった。無事に出場できたフルームも第17ステージでまさかの失速。総合首位を堅守していたチームメイト、ゲラント・トーマスへのエース交代を余儀なくされたが、振り返ってみれば個人総合1位と3位を獲得したチーム・スカイの堅牢さと、ポイント賞を獲得したペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)の強さが目立つレースだった。あの選手が駆ったバイクは?
出場チーム数22、総勢176人による闘い。そんなドラマに富んだ2018年ツールを心に刻むため、今回は上位入賞した選手とチームのメインバイクを紹介していこう。■個人総合(1~5位)
1位 ゲラント・トーマス(チーム・スカイ)
PINARELLO DOGMA F10
2017年1月に発表されたドグマF8の後継モデル。日本の東レが開発した現時点で最高の強度と剛性を持つ「TORAYCA T1100G」カーボンファイバーを、使用する樹脂量を最小限に抑えたプリプラグとして採用している。F8と比較して7%の剛性アップと、6.3%の軽量化(フレーム単体で820g/53サイズ塗装前)を実現。フロントフォークにはドロップアウトに整流効果を持たせるフィン(フォークフラップ)を装備する。
フレームセット価格:680,000円(税抜)
サイズ:42SL、44SL、46.5SL、47、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62
カラー:アメティスタ(シャイニー)、ダイアモンド(マット/シャイニー)、ヴルカーノ(シャイニー)、ダイアモンド・ブルー(シャイニー)、アンブラ(マット/シャイニー)、フルオライト(マット/シャイニー・フルオ)チームスカイ2018(マット/シャイニー)、SHADE BOB(マット/シャイニー)、レッドマグマ、ブラックラバ、BOB
2位 トム・デュムラン(チーム・サンウェブ)
GIANT TCR ADVANCED SL

3位 クリス・フルーム(チーム・スカイ)
The craziness of #AlpedHuez #DutchCorner Great photo @simongillphoto ? #TDF2018 pic.twitter.com/O6sfcXGZwd
— Chris Froome (@chrisfroome) 2018年7月19日
PINARELLO DOGMA F10 XLIGHT
フレームセット価格:900,000円(税抜)
サイズ:42, 44, 46.5, 47, 50, 51.5, 53, 54, 56, 57.5, 59, 62cm
カラー:チームスカイ2018、レッドライン、ブラックマット、他
4位 プリモシュ・ログリッチ(チーム・ロットNL・ユンボ)

BIANCHI OLTRE XR4
NASAへの供給実績がある素材メーカー「マテリアル・サイエンス社」と共同開発された最新鋭カーボンテクノロジー「Countervail」を搭載し、高い空力性能とコントロール性能を兼ね備えたハイエンドエアロモデル。高い振動除去性能を備え、さまざまな状況下で高いパフォーマンスを発揮する。プリモシュ・ログリッチ、チームメイトのディラン・フルーネウェーヘンの功績を讃えるスペシャル・エディションあり。
フレームセット価格:410,000円(税抜)
サイズ:44、47、50、53、55、57、59、61
カラー:ブラックマット×CK16グラフ、CK16グロッシー×ブラックグロッシー、ブラックカーボンUD×ホワイトフルリーグロッシー、Tavolozza(+38,000円/税抜)
5位 ステーファン・クラウスヴァイク(チーム・ロットNL・ユンボ)

BIANCHI OLTRE XR4

■チーム総合(1~5位)
1位 モヴィスター・チーム


CANYON Ultimate CF SLX

2位 バーレン・メリダ
MERIDA REACTO TEAM-E

3位 チーム・スカイ
GALLERY: Yesterday we made some more incredible memories in Paris. Check out part one of @therussellellis' final Tour set
? > https://t.co/UTM76UPR18 pic.twitter.com/ytdj2uMMvz — Team Sky (@TeamSky) 2018年7月30日
PINARELLO DOGMA F10

4位 チーム・ロットNL・ユンボ


BIANCHI OLTRE XR4

5位 アスタナ・プロチーム
ARGON18 GALLIUM PRO
ロードレースのカナダ代表だったジャーベス・リューが立ち上げた、新進気鋭な自転車ブランド「ARGON18(アルゴンエイティーン)」による、7050ナノテックカーボン採用モデル。基本性能に優れ、機敏さと速さを兼ね備えている。加えて乗りやすさには定評があり、ライダーのレベルを問わず最大のパフォーマンスを発揮するフレームだ。
フレームセット価格:430,000円
サイズ:XXS、XS、S、M
カラー:チーム
■ポイント賞
ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)
SPECIALIZED S-WORKS NEW VENGE サガンモデル

■山岳賞
ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)
SPECIALIZED S-WORKS TARMAC MEN SL6 DI2 2019モデル

■新人賞
ピエール・ラトゥール(AG2R・ラ・モンディアル)
FACTOR O2

まとめると
ツールは選手の闘い同様、機材の優劣を計る闘いでもある。そのため機材を供給する各社はハイエンドモデルを投入。熾烈なレースに耐え、選手を勝利へと導くバイクの「見本市」とも言える。 ピナレロやジャイアントなどお馴染みのメーカーから、ARGON18やファクターなどの新進メーカーまで、ツールを走るバイクは美しい。その美しさを手に入れるチャンスは価格的に少ないだろうが、レースでの勇姿を目に焼きこんで入手可能なグレードのモデル選びをするのも楽しいこと。ツールの華は選手の奮闘だが、彼らが駆るバイクの優美さにも注目したいものだ。
監修:
サイクルアシスト オオバ 大場忠徳
Viking the Maintenance石橋
