走る楽しさをサドルの上で共有できる「タンデム自転車」とは
前後に2つ以上のシートがあるタンデム自転車をご存知だろうか?
見たことはあるけど乗ったことはないという方がほとんどだろう。
昔、ヤッターマンというアニメで悪役のドロンボー3人組がタンデム自転車で命からがら逃げるシーンがあったが、よく見てみるとハンドルは付いているものの一輪車3台を一列に繋いだだけの構造なので実際に走らせるのは難しい。#あなたがときめく4文字教えてください
— タツノコプロ(公式) (@tatsunoko_pro) 2016年12月9日
「タツノコ」
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「プリパラ」
あたりにもときめきますが
…私的にふつうに「おしおき」が好き! だべ~ pic.twitter.com/INnWtgC9hF
走らせるのは難しいが、実際に学生が試作してみた三輪タンデムはある
1人が自転車を漕いで、もう1人が荷台や後輪ハブ軸に乗る行為を2人乗りと呼んで道路交通法(以下、道交法と略)違反になるが、タンデム自転車は2人、またはそれ以上で合法的に乗れるホイールベースの長い自転車のことだ。 正面から見た表面積は1人分なのに自転車を漕ぐ力は2人分あるからスピードが出せる。5人乗りタンデム競技でオランダチームが平均時速49kmという驚異的なスピードで3,000mを駆け抜けたという記録が残っているが、のちに5人乗りタンデム競技自体が無くなってしまったので不滅の記録となってしまった。「タツノコプロ55周年GO!GO!記念展」では内部の写真撮影OKです。
— タツノコプロ(公式) (@tatsunoko_pro) 2017年7月28日
フォトスポットもご用意しておりますので「おしおき三輪車」に乗って
写真撮影してみてはいかがでしょうか? pic.twitter.com/xwrqjl2LDo

都道府県によって対応が分かれるタンデムの公道走行
実は47ある都道府県の中で、車道を含めた全ての道路でタンデム自転車が走行できるのは、わずか16県に(2017.11.24現在)とどまっている。
▲2017年11月現在、タンデム自転車の公道走行を認めているのは、山形、群馬、新潟、富山、長野、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、島根、愛媛、大分、佐賀、宮崎の16府県。
県の公安委員会ごとに見解の相違があるわけだ。そもそもタンデム自転車はホイールベースが長いから、歩道通行できる普通自転車の枠には収まらない。解禁されても歩道は通行できず、小回りが利かない・低速で不安定という弱点もあるが、車道を走る分には全く問題ない。
しまなみ海道を擁する広島県と愛媛県は共に解禁済みなので海外からも大勢のタンデムユーザーが訪れて多島美を楽しんでいる。皆さん、すれ違いざまに「コンニチワ」と声を掛けてくれるのが嬉しい。
ところが、である。例えば成田空港に到着した外国人夫婦がタンデム自転車を組み立てて、いざ東京へ向かおうとしたらハイ違反。まだ千葉県も解禁前だ。2020東京パラリンピックの会場になっている東京都さえ、まだ解禁してない。この状況をマズイとは思わないだろうか?
現状ではパラリンピック前に来て東京でタンデムの練習をしたいと思っても無理だということ。もうひとつある。タンデム自転車の公道走行を禁止しているのは世界中で日本だけだということ。早く解禁しておかないと世界に恥を晒すことになる。第一、同じ国で共通の道交法に則っているのにA県はOKでB県がNGとなる根拠に乏しい。せいぜい交通量の差が認められる程度で道路構造が異なる訳じゃなし、先行する16県で問題が頻発している訳でもない。要は、やる気があるか無いかの差でしかない。
タンデム解禁に熱心な一部のサイクリストからは、違反と知りつつタンデムで東京の街を走り、わざと捕まろうかという冗談も聞かれる。ニュースになることで関心を集めることが解禁への近道ではないかという話だ。もっとも、タンデム自転車が禁止されていることさえ知らない警察官が多いのではないか。堂々と走っていたら捕まえてくれない可能性もある。それはそれで問題だが。
目の不自由な方も自転車の楽しさを味わえるタンデム

災害時に活用したい自転車、タンデムの可能性がここにもある
震災などが起きた後で自転車が活躍したというニュースを耳にした方も多いだろう。一方クルマで逃げて渋滞にハマり、クルマごと津波に流された映像を記憶されている方も多いはず。
タンデムで10年間ハネムーンした夫婦、タンデムを楽しむ元議員も
しまなみ海道でサイクリング・ツアーガイドをやっている友人の宇都宮一成夫妻はタンデム自転車で10年間、世界88カ国をハネムーンで回った。





「公道解禁」から広がるタンデム自転車の多様化に期待
筆者が講師を務める東京サイクルデザイン専門学校でもタンデム自転車を製作している学生がいる。 3年コースの場合、在籍中に最低8台の自転車をフレーム溶接からビルディングする。学校の課題以外にも組む場合があるので、学生によっては10台以上の自転車を製作するが、タンデム自転車は普通の自転車より重量があるのでブレーキやホイールに特殊な物を使わなければならず、全長が伸びるので力学的にも工夫が求められ難易度が上がる。 それでもタンデムには独特の魅力があるし、何よりも後席に座る視覚障がい者の喜ぶ顔が見たいから苦労なんて厭わないと、その学生は笑顔で語ってくれた。彼の作り出したユニークなタンデムフレームは美しさと強さを秘めた自転車になった。
